国民負担率47.5%の時代に
現在私たちが住む日本では、税金の国民負担率が47.5%という自分たちが稼いだお金の約半分を国に支払っているという恐ろしい状況になっています。
これはいいかえると、1年のうち約半年間は国のためにタダで働いている計算になります。1年のスタートを今年1月からだとすると、その半年後は6月です。
今がちょうど6月なので、今月まで国のためにタダで働くという感じです。本当恐ろしいですね。
さらに2023年の6月からは政府公認で電気料金も値上がりました。いくら私たちの負担が増えるのかというと、これは地域によるのですが、年間だとだいたい4,5万円の負担増です。
一人旅なら国内で2泊3日のちょっとした旅行ができるかもしれない。
私たちは税金以外にもいろんなところで負担を強いられています。
まぁそういう状況なので、どうやったらお金を稼ぐことができるのかといった稼ぐ方法であったり、割のいい副業とか、あるいは資格を取得して基本給を上げるとか、そういった話が本棚で目立つところに陳列されるとかメディアとか色んなところで注目されています。
ただお金については、実は「どう稼ぐか」と同じくらい、もしかするとそれ以上に「どう使うか」も大事になっていきます。
そのお金の使い方についてまとめた本が前回紹介したエリザベス・ダンらが書いたた『「幸せをお金で買う」5つの授業 』という本になります。
この本は収入を増やす人よりも、手に入れたお金をうまく使える人の方が幸せになれることを科学的に証明した本です。
前回は、5つのテーマに分けた紹介のうち1つ目ということで「経験を買う」について紹介しました。
今回はその続きからお話していきたいと思います。
ご褒美にする
先ほど、この本はテーマが5つに分かれているという話をしました。
1つ目が「経験を買う」で、人は物を買うよりも経験を買った方がより幸せになれるというものでした。
今回お話しする内容は、この5つのテーマのうちの2つ目「ご褒美にする」です。
ご褒美にするというのは、この本では「特別感」といいかえてもいいかもしれないですね。普段は手に入らないけど手に入れられたとか、逆に普通に過ごしていたら何も感じなかったけど工夫して特別なものに変えるとか、そういったお金の使い方になります。
「ご褒美にする」という方法はいくつか紹介されていたんですけど、ここでは実践しやすい方法3つを紹介したいと思います。
①楽しみを後にする
一番手っ取り早い方法です。楽しみを後にする。
人はいつも手に入る状況よりも、ある程度我慢したあとにそれを手に入れると楽しみを取り戻すことができます。
私はいつも朝起きたら珈琲マシンで作ったコーヒーを飲むのを楽しみにして飲んでいます。ただ、いつでもコーヒーが飲めると思って飲んでしまうと、コーヒーを飲む楽しさは徐々に減っていくことが分かっています。
つまり、自分が好きなタイミングでコーヒーを飲むと、その楽しみを最大化できないということです。しかしいったん我慢する時間を作れば、コーヒーを飲む楽しみを最大化することができます。
なので私の場合は、朝起きたら少なくとも1時間はコーヒーを飲まないで我慢しようと決めています。それを習慣にすることにしました。
すると、同じコーヒーを飲んでいるはずなのに、あれこんなに美味しかったかなって思うくらいすぐに飲んだ時よりも美味しく感じます。
人は自分が買った物について消費するまで時間を置くと、いつも以上に美味しく感じたり、喜びを感じたりします。
同じことでも使うタイミングで幸せの感じ方に差が生まれるのは面白いなと思いました。
もし買った値段以上の幸せを感じたいのであれば、しばらく消費せずに期間をおくということをするといいと思います。
本とかも買った後にすぐに読まずに、数日とかしばらく置いてから読み始めるといいですね。 次に移っていきます。
②期間限定にする
2つ目は期間限定にするというものです。
Q ここで期限に関する質問です。ここに使用期限付きのギフト券があったとします。
今日から2か月後と3週間後の2つのパターンがあった場合、どちらの方が使い切る可能性が高いでしょうか。
A 3週間だと思います。すぐに使ってしまおうと思うからです。
A 僕は2か月だと思います。期限には余裕があったほうが使えおうと思うからです。
A 正解は期限が3週間のギフト券です。
自然に考えると2か月のギフト券だと思うはずですが、3週間後の場合は全体の31%が使い切ったのに対し、2か月後に期限を切った場合はたったの6%しか使い切っていませんでした。
私たちは2か月とか期限に余裕があると、あとで使えばいいやとつい思ってしまうのです。
つまりここから分かることというのは、ご褒美というのが限られた時間内でしか手に入らない場合に、私たちの幸福は最大になるということです。
実際、社会心理学者のジェイム・カーツの研究では、人は何かが永遠に続かないことを知ると、私たちはそれをよりいっそう大切に思うことを証明しています。
つまり、それができる経験の範囲を決めることで、その価値を高めることができるということですね。
1つ例をあげます。例えば、あなたが好きなアーティストのアルバムを買ったとします。
その好きなアーティストの音楽を聴くときに、そのアーティストがクリスマスソングを作っていたとします。好きなアーティストであれば、どの時期にクリスマスソングを聴いても楽しめると思いますが、これを12月にしか聴かないと決めます。
いまが6月なのであと半年その曲を聴かないと決めます。厳密にいえば、12月1日から25日までですね。
1年のうち25日しか聴けないとなると特別感を出しやすくなるので、いつも以上に自分の好きな音楽を楽しむことができます。
ちなみにお店で期間限定の商品をよく目にしますが、これは私たちが限定物に弱いことを知っているためです。夏だけとか冬の期間だけとかに限定すると、たとえ価値がそこまで高くない商品であったとしても、つい買ってしまう。
しかも期間内に買うことができて満足したという現象が起きていますね。
論理的に考えれば、いつも売れる商品というのは1年中通して販売されるのですが、そうでない商品は期限を設けて特別感を出して販売されている場合があるということですね。
なかには商品を品薄にして希少性を出すという方法を採用している会社もあったりします。
ここまでが2つ目の期間限定にするというものでした。最後移っていきます。
③ご褒美は複数回に分ける
最後3つ目は、ご褒美は複数回に分けるというものです。
結果的に同じ質や量であったとしても、1回でまとめてよりは複数回に分けてもらったほうが嬉しいと人は感じるというものです。
それについて僕が1つ体験談として反省しているのは、甥っ子に対するプレゼントです。
自分の甥っ子の両親は子育てに厳しい方で、自分が読みたい漫画を買ってくれないと話していました。
そこで、こっそり甥っ子に大人買いしたるわということで、思い切って1巻から最終巻まで、あと別のシリーズも1巻から最終巻まで計38冊プレゼントしたんですね。
本は漫画であっても沢山読んでいたほうがいいので、お金はケチりませんでした。
ただ、僕の理想としては、1巻1巻大事に読んでほしかったんです。
でも、甥っ子はこれまで漫画が読めなかった反動なのか、その日のうちに38巻全部一気読みされてしまってあんまり後味が良くなかった。読み方もパラパラパラって流し読みみたいにされて、大事に読んでいる感じがしなかった。
なので漫画をプレゼントする時は、週に1冊ずつとか、会った時に5冊ずつプレゼントするとかプレゼントは分けてするほうが、相手にとってもプレゼントされたものは大事にしてもらえるし、価値を感じてもらえただろうなと思いました。
そう考えると、今回の甥っ子の例に限らず、誰かの誕生日プレゼントに関しても、何回かに分けてプレゼントしたほうがいいかもしれないですね。
自分へのご褒美で買うプレゼントにしても、少しずつ買うとか、毎週に分けて配達されるようにするとかしたほうが、幸せになれるということです。
まとめ
ではまとめにはいります。
幸せになるお金の使い方の2つ目は「ご褒美にする」というもので、つまり「特別感」を出すというものでした。
同じ物を買ったとしても、どう消費するかで価値を高めることができるというものです。その結果幸せになりやすくなるというものです。
具体的に価値を高める方法としては、
①楽しみを後にする
②期間限定にする
③ご褒美は複数回に分ける
という3つを紹介しました。
この3つは組み合わせて使ってもいいですね。
例えばいまこの勉強会は夏に開催しているので、アイスを買うことがあると思います。
このアイスを買ったあとはすぐに食べないで冷凍庫にしばらく入れてから食べる。
アイスを食べる時期は夏だけに限定する。
その日で色んな種類のアイスを食べるのではなく、1日ごとに1種類ずつ食べるとかすれば、同じ値段でもそのアイスに対する価値の感じ方を変えることができます。
なかなかお金を稼ぐことが難しいいまの時代だからこそ、お金をどう使うかというスキルは特に大事になっていくと思うので、ぜひ取り入れてみてはどうかなと思います。
質疑応答・感想など
Q プレゼントは複数回に分けたほうがいいとありましたが、誕生日プレゼントも複数回にわけたほうがいい?
A 理論上はそうです。例えば、本をプレゼントするとして上・中・下に分かれていたら、3回に分けるイメージです。
Q 誕生日の日以外にもプレゼントするということですか?
A そうですね笑 私だったら、誕生日の日を真ん中にして、前後1週間で本をプレゼントします。
Q 期間限定にするという話もありました。目安としてはどれくらいの期間がいいんですか?
A 特に基準はなかったのですが、期間を短くするのは特別感をもたせて価値を高めるためですね。
この本ではロンドンの例も出されていて、ロンドンに住んでいる人は1年中そこにいるので観光しない。
逆に旅行とかで2週間だけしかロンドンにいない人は、色んな観光地をまわって、充実した毎日を過ごしていた。
人は期限を設けないと、永遠に続かないということを実感することができないということですね。
A つまり期限の決め方は人によるということですね。
A そうですね。例えば個人的な感覚だと、私はコーヒーは毎日飲むので、朝起きて1時間は待つようにしています。ただ、旅行とかは半年後に設定するとか、期限を長くしてもいいと思います。
Q 幸せになるためには、「もの」より「こと」。何か買うより旅行に行って一緒に行動するとか思い出とかそういうものですね。稼ぐより使う。
では、なぜ人間って「こと」にお金を使うと幸せだと思うんですか?ブランド品よりも価値が高い。
私はかつもので欲求を満たしていた。でもそれ以来、かみさんと一緒にご飯を食べるとかに時間を使うようにした。
A 人は本来社会的な動物だからだと思います。
たしかハーバード大学が75年にわたる研究で、人生が幸せになるかどうかは、「人間関係がどれだけ充実しているか」によって決まるということを証明したんですよね。
社会的に成功したとされるスティーブジョブズも、亡くなる前に「もっと家族と一緒に時間を過ごすべきだった」と後悔していたという話もきいたことがあります。
Q ものを消費するということから、奥さんと過ごすようになって実感としてもそっちのほうがいいと思い始めたのですか?
A そうですね。娘が大学にいったあとは、奥さんと一緒にいる時間が長くなった。それなら食事とか奥さんと行くようにした。すると以前より話す回数も増えた。
穏やかな二人空気感を共有しているほうが、長くなる。それが良いなと思っている。
A おぉ~いいじゃないですか。
A この本の内容はすごくためになりますね。
A この本…めっちゃ高かったんですよ笑 でも買ってよかったと思います。内容も濃いので5回に分けて紹介しようと思って。なのであと3回あります笑
A それは楽しみです。
2023/6/18
・エリザベス・ダン、マイケル・ノートン『「幸せをお金で買う」5つの授業 』
コメント