電気料金の決まり方

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電気料金の決まり方

計測器:筆者撮影

 今回は、毎月請求される電気料金の決まり方について解説します。

 私は国家資格である電検(電気主任技術者試験)の資格を持っています。

 電気関係で身近なもので、例えばみなさんの家には、毎月電力会社から電気料金の請求がされると思います。その電気料金のもとになっているのが、計測器についている数字ですね。

 これを電力会社の人が見て、数字を記載して電気料金を請求するという流れになっていきます。

 では、計測器はどういう仕組みになっているのでしょうか。その原理は「アラゴの円盤」というものが用いられています。

 これはアルミで出来た円盤の下に磁石をおいて、磁石を回転させると、アルミの円盤も一緒に回るという現象です。

 この仕組みは、1824年にフランソワ・アラゴさんという人が見つけました。余談ですが、このアラゴさんはかなりのオールラウンダーです。政治家でもあり数学者でもあるすごい人。

 ただ、理論上アルミ円板がくるくるまわるという現象はそもそもおかしい。なぜならアルミは磁石にくっつかないからです。鉄は磁石にくっつくんですが。

 じゃあなぜ磁石にくっつかないアルミが回るのか。

自然界絶対の法則

自然界絶対の法則とは?

 「自然界絶対の法則」というのがあります。これには例外がありません。

 自然界絶対の法則というのは、「変化を嫌がる」というものです。つまり元の状態に戻るというもの。

 下の図は、N極とS極の拡大図です。

 まずN極部分に注目します。磁石はN極からS極に向かって力が働くので、N極の近くには上方向の力がかかります。すると自然界絶対の法則が働きます。

 上方向にかかるということは下方向に打ち消そうとするんですね。これは反対方向にN極があるのと同じことになります。

 一方S極側は、N極の反対なので、下向きの力がかかります。すると今度は上方向に打ち消す力が発生します。これは反対方向にS極があるのと同じことです。

 これによって、磁石の反対側には同じ極同士の磁石が存在する状態となるため反発します。

 その反発する力でアルミ円盤がまわるんですね。磁石がくっついてまわるわけではない。

 自然界絶対の法則というのはそういうものです。

計測器の仕組み

 計測器はどうなっているのかというのがこの図です。

 中央にある薄い板がアルミの円盤で、その上下にコイルという電気を流すと磁石になる物体が置かれています。このコイルは磁石と考えてもらって構いません。

 この磁石は回転しておらず、固定されています。回転せずにどうやってアルミ円盤を回すことが出来るのでしょうか?

 実は磁石を固定したままで、磁石を回転させるのと同じ状態を作り出すことができます

 上のコイルには、細い電線を巻きます。そして下のコイルには太い電線を巻きます。

 電気は太い電線の方が流れやすいです。その為、上下の磁石で電気が流れるタイミングがズレます。

 この上下の磁石で電流が流れるタイミングにズレが生じている状態は、磁石が回転しているのと同じ状態です。

まとめ

出典元:PAKUTASO

 最後まとめに入ります。

 洗濯機、冷蔵庫、テレビなどの家電製品をたくさん使うと、コイルに多くの電気が流れます

 これは、磁石が速く回転しているという意味です。磁石が高速で回転するので、アルミの円盤も高速で回転します。つまり回転数が多くなります。 

 計測器は、このアルミ円盤の回転数を電気の使用量に換算し、その数値を電力会社の人が記録します。その後、私たちの家に電気料金が請求されています。

出典元:PAKUTASO

学べる教訓

出典元:PAKUTASO

 計測器の原理は、アラゴさんが約200年前に発見したものですね。いまは古いものを捨てろという風潮ですが、古いものからは学べるものもあります。

 自然界絶対の法則というので、変化を嫌うのが常識です。人間も変化を嫌う。人は変化したいといいながら、自己啓発関係の本を読んだりセミナーに参加しても90%以上が変わらないとしている。

 これは普通。自然界絶対の法則から考えたらそうですね。でもいまは「変化の時代」です。変化するには多大なエネルギーが必要です。

質疑応答・感想など

出典元:PAKUTASO

 節電の方法として、こまめに電気は消しすぎないほうがいいときいたことがあります。

 電気専門の人から見て、この方法は効果的なんでしょうか。

A 物は動かそうとするときに最もエネルギーを使います。特に重いものを動かそうとするには最初は大変です。でも動き出したらあとは少しの力で動くようになる。

 でも短時間の場合はつけたり消したりすると電気代はかかってしまいます。長時間離れる場合は、電機はこまめに消したほうがいいですね。

 安定しているときと動き始めているときは6倍から7倍くらい差があります。

Q 短時間というのは具体的にどれくらい?

A 私は10分以上その場を離れるのであれば、電源は消したと方がいいと思います。

 N極からS極に向かって横方向に力が働いているんですよね。そしたらなぜ上方向に力がかかるのですか。

A 磁力線というのがあって、N極からS極に向かって虹がかかるイメージでアーチを描くようにかかっている。

 だからN極は上方向。S極は虹が下りてくるので、下方向に力がかかっています。

2022/02/18

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